純粋理性批判入門書コース用カンペ 2章
(プレゼンテーション機能で閲覧想定)
第2回 科学の知は、なぜ共有できるのか
(前回のあらすじ)
「主観と客観が一致するのか?」という問いは哲学会のホットな話題だった
カントは以下のようにまとめた(意訳)
基本的に主客は一致しないよ
でも主観の中でも他の人達と共有可能なフレームがあるよ
カントの「人間の認識構造」
物自体 --(感性)--> 直観 --(悟性)--> 判断
悟性がもつ働き
私が悟性の機能ということで意味するのは、さまざまな諸表象を一つの共通の表象のもとに秩序づける働きの統一のことにほかならない。
直観を整理して秩序づけるのが悟性のはたらき
「概念」を使うことで秩序づける
経験概念と純粋概念
後天的(ア・ポステリオリ)に手にする概念(経験概念)
人間にあらかじめ(ア・プリオリ)備わっている概念(純粋概念)
悟性がア・プリオリに備える「カテゴリー」
人間は純粋概念として4種12個の「カテゴリー」を備えている
カテゴリー=思考の基本的な形式・型
「量」のカテゴリーの説明
無意識に行っている判断の原則
質、関係、様相のカテゴリーの説明
「ア・プリオリな総合判断」とは何か
分析判断と総合判断
ヒューム「総合判断は経験に基づいて形成される」
カント「経験にもとづかない種類の総合判断がある」
ア・プリオリな総合判断
純粋な悟性の原則
ア・プリオリな総合判断の例
算術、因果律
純粋な悟性の原則 4種8個(p.55の図を参照されたい)
数の概念はどうやって生まれるか
量のカテゴリーと直観が結びつくことで「数」が生まれる
すべての直観は外延量である
「直観の公理」
こういう能力がア・プリオリに備わっているから数学の世界は成り立つ
自然科学を基礎づける原則
「因果律の原則」
「時間」と「原因・結果のカテゴリー」が結びつくことで「因果律」が生まれる
すべては「私の体験」として
「純粋統覚」(根源的統覚)
認識したことは「私が」したこととしてまとめる
カント「統覚の総合的統一の原則は、悟性使用の最高原理である」
「超越論的哲学」の最終目的
超越論的=認識のア・プリオリな構造を追求する思索の体系
人間の認識構造の「直観(感性)」と「概念(悟性)」の二層構造の課題
間を埋める理屈が持ち出され複雑
カント「二層構造で考えなければならない」
直観なき思考の暴走を説明するため。
→ 次章 「理性」の話へ✨